wonderwallの初期ジャケット

【歌詞和訳付き】oasisのWonderwallの意味は何か、本気で考察してみる

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『2019年8月、Foo Fightersはoasisの再結成を求める署名活動を呼びかけたが、これに対してNoel GallgherはFoo Fightersの解散を求める署名活動を呼びかけた。』

…いやいや、こいつら本当に面白すぎるでしょ。こんなワンセンテンスだけで笑えるのも珍しいわ。本当にLiamとNoelの仲悪いエピソードは愛しいです。

やっぱり『Everybody’s On The Run』も『For What It’s Worth』もいいんですけど、結局『Wonderwall』『Live Forever』あたりに戻ってくるんですよね。ってことで、今回の記事では解釈がファンの中でも分かれる難解で不思議な曲『Wonderwall』の歌詞の意味について、本気で考察します。歌詞全文の和訳も最後につけてあるので、是非見てみてください。(先に歌詞和訳を見る  

 

wonderwallの正体、Noel本人が答えちゃってる件

まず、この曲のタイトルでもある「wonderwall」って何のことだか?ですが、ぶっちゃけて言うと、Noelが既にはっきり言及しているんですよね…イギリスの「Mirror」というサイトに以下の一節が載っていました。

And in 2002, Noel stated that Wonderwall actually had nothing to do with his ex.

“The meaning of that song was taken away from me by the media who jumped on it, and how do you tell your missus it’s not about her once she’s read it is?” he told the BBC.

So who was it about?

“It’s a song about an imaginary friend who’s gonna come and save you from yourself,” he explained.

Mirror | Liam Gallagher’s foul-mouthed reaction to Oasis’ Wonderwall – and why he still hates it

 

Noelがwonderwallを作曲していた頃1人目の妻であるMegと出会いました。1996年にNoel自身がこれはMegに向けたラブソングだと公言しましたが、2002年にNoelが上記の引用の通り撤回。wonderwallとは、「自分自身を救ってくれる想像上の友達」だと語りました。

…とまあ、作曲者本人がこのように語っているわけでこの解説記事自体あっさり終わっちゃいそうですが…

しかしながら、Noelがこんなあっさりコメントして答えが出るようなものならば、この曲は世界中で未だに愛されることはないと思うんですよね。それほどこの楽曲はwonderwall自体の謎を含めて、歌詞全体が非常に多岐に渡る解釈のできる興味深い一曲です。

作曲者であるNoel の中でも、wonderwallの正体は時代を追うごとに形を変えていったんでしょう。結論ですが、僕の考えでは、wonderwallとは「麻薬」であり、「恋人」であり、「友達」であると思っています。

では、この曲の制作過程からリリース後までの流れを基に、wonderwallが示すものを徹底的に考察していきます!

初期のタイトル『Wishing Stone』から考えてみる

wonderwallが作曲されたときにNoelがこの曲のタイトルを当初『Wishing Stone』と銘打っていたのは有名な話ですが、まあ直訳して、まさかそのまま『願いの石』なわけはないと思って。Noelが好きだったStone Rosesにかけて、みたいな話があるんですけど、それもどうかなと思ってさらに頭を巡らせるわけです。

こんな記事がありました。1997年まで彼はColombian marching gearの助けなしには作曲はできなかったとのこと。1997年だと3枚目のスタジオアルバム『Be Here Now』がリリースされた時だからwonderwallの作曲時点では、薬漬けだったみたいですね。

Asked by Spin magazine what songs he’d written whilst not on drugs, he admitted, “None. Before 1997, I hadn’t written a song without the aid of the old Colombian marching gear*.”

*Colombian marching gearとは、cocaineのことです。まあ控え目に言って興奮剤。
Mirror | Oasis’ Wonderwall wasn’t really about Meg Matthews as Noel Gallagher unveils true inspiration

『(What’s the Story) Morning Glory?』リリースまでのドタバタを追った「Lost inside」というムック本に当時のことも書かれていますが、Noelは1994年、1995年あたりはツアーで世界中を目まぐるしく回っており、メンバーとの軋轢もピークに達していたようで、当時の2年間は相当タフなものだったと想像できます。そりゃあデビューしょっぱなの2枚のアルバムが続けて大ヒットしたので無理もないわけですが…。まあいずれにしてもクスリに頼らないとやっていけなかったんでしょうね。

本筋に立ち返って考えてみると『Wishing Stone』とは「願いの石」→「当時の頼みの綱」→「麻薬!?」みたいな考えも出来なくもない。MVにも微妙に幻覚を見せられてるような描写があり、一つのヒントになるのかなあ、と(例えば3分30秒~40秒あたり)。

とまあ無理くり考えてみたものの確信はあんまり持てなかったんですが、ヒップホップ好きの友達がこの説の信憑性をぐっと上げる一言をこの前さらっと言ったんです。

「でも確かに“stoned”って「薬でキマってる」状態のこというスラングらしいし、あながち間違いじゃなさそう」と。

ほう?

僕もそれまで全然知らなかったんですが、マリファナやコカインをやってハイになってる奴によく「Are you stoned?」とか言うらしいです。もし本当だったら、いかにもNoelらしいひねくれた発想かなと思います。

なんだか”Colombian marching gear”だったり、”Are you stoned?”だったり、お天道様に背を向けて人生送るときにしか使わないようなスラングの学習サイトみたいになってしまいましたが(笑)、いずれにしてもこの楽曲の制作過程を含め、麻薬がNoelのアーティスト人生において大きな影響を与えていることは間違いないと思います。

wonderwallには元ネタがある

じゃあ元々『Wishing Stone』というタイトルであったこの曲が何故、『Wonderwall』というタイトルになったのかも気になるところ。今度はここを掘り下げてみます。

実はwonderwallという言葉はNoelが作った造語ではなく、しっかりとした元ネタがあります(Noel自身も公言しています)。その元ネタとはGallagher兄弟二人が敬愛する、数少ないロックバンド、The BeatlesのGeorge Harrisonによる作品『Wonderwall Music』です。

1968年に発売された、インド音楽の要素をふんだんに取り入れたインストゥルメンタルアルバムで、同名の映画『Wonderwall』という作品のサウンドトラックとしてつくられたものでした。あらすじをかなりざっくり説明すると、中年の生物学者が自分のアパートの部屋に穴が空いているのを見つけ、その穴からは美しい女性とヒッピーの影響を色濃く受けた若者たちの破天荒な日々の生活が見えてしまい、その魅力に憑りつかれる…というものです。

こちらがアルバムジャケットです。映画の世界観が具体性を持って描かれており、非常に分かりやすいです。
Wonderwall music
となるとこの時点ではwonderwallとは「憧れの存在」というように解釈ができます。この映画やGeorgeのアルバムジャケットの文脈に即して言えば、「自分が住んでいる世界では出会えないような、魅力的な何か」といった感じでしょうか。

この曲のリリース前後でNoelは前妻であるMeg Matthewと出会っています。それも麻薬を通して知り合ったようですが…(wonderwallのリリースが1995年、Megとの結婚が1997年)。

I don’t believe that anybody feels the way I do about you now
There are many things I would like to say to you but I don’t know how

Oasis – Wonderwall | AZrlyrics

歌詞の中に出てくるこれらのフレーズも部分的にMegを意識して書いたことは間違いないでしょう。このあたりで、『Wishing Stone(=麻薬)』のような幻惑的な魅力という文脈に「恋人」の文脈が重なってきたことが推測できます。

リリース後、「恋人」から「友達」へ

そして解説の最初にもあったように、2002年にNoel自身がインタビューで「これはMegに向けたラブソングではなく、自分自身を救ってくれる想像上の友達を歌ったものだ」と語りました。

色々と海外のインタビューもさらってみましたが、なぜNoelが最終的に「友達」と表現したのか確かな情報がなかったので、ここからは僕の邪推になります。

1番のAメロに「Backbeat」というワードが出てきます。おそらくこれは、1994年に公開されたイギリスの映画。The Beatles結成時にいた5人の中の一人、Stuart Sutcliffe(スチュアート・サトクリフ)の生涯を描いた作品です。

Stuartはリバプールで画家を目指していましたが、彼の魅力に当時のJohn Lennonが一目ぼれ。共同生活をするほどまでに仲を深めました。そして1960年、JohnとPaulの勧めでベーシストとしてThe Beatlesに加入します。

しかしながら、自身の演奏能力の低さに悩み、また画家の道を諦めることもできなかったStuartはハンブルグでの巡業後にバンドを脱退。そして1962年、突然の脳出血により、なんと21歳の若さで亡くなります。

スチュアート・サトクリフ
Stuart Stucliffe。なんとまあめちゃめちゃイケメンやないかい。

Johnは後年、オノヨーコと交際を始めた後にもStuartの名を何度も口にし、「彼はもう一人の自分のような存在だった」と語っていたと言います。Johnの中でStuartの存在がいかに大きかったが分かるエピソードです。

歌詞全文の和訳です

ちょっとフライングですが、ここで歌詞の全文和訳を。歌詞全体のイメージを俯瞰するように読んでみてください。

『Wonderwall』
Produced by Owen Morris & Noel Gallagher

Today is gonna be the day
That they’re gonna throw it back to you
By now you should’ve somehow
Realized what you gotta do
I don’t believe that anybody
Feels the way I do about you now
とうとう今日はその日だ
また奴らがお前に構ってくるだろうけど
今頃お前は自分がやらなきゃいけなかったことを
どうにかして気づいているんじゃないか
俺みたいにお前のことを思うやつなんて
今、他にいやしないだろうな

歌詞の続きを見る

Backbeat, the word is on the street
That the fire in your heart is out
I’m sure you’ve heard it all before
But you never really had a doubt
I don’t believe that anybody
Feels the way I do about you now
通りにはお前の情熱が
燃え尽きたなんて噂が流れてるな
そんなのお前はとっくに聞き飽きてるだろう
お前は一度も自分を疑ったことなんてなかった
俺みたいにお前のことを思うやつなんて
今、他にいやしないだろうな
And all the roads we have to walk are winding
And all the lights that lead us there are blinding
There are many things that I would like to say to you
But I don’t know how
俺たちが歩く道は曲がりくねってるし
これからを照らしてくれる光は眩しすぎて目が眩む
お前に言いたいことはたくさんあるのに
どう伝えたらいいかがわからないんだ
Because maybe
You’re gonna be the one that saves me
And after all
You’re my wonderwall
だって多分、これからもお前は
俺を助けてくれる奴でいてくれるんだろ
結局のところ、今でもお前は俺のwonderwallなんだ
Today was gonna be the day
But they’ll never throw it back to you
By now you should’ve somehow
Realized what you’re not to do
I don’t believe that anybody
Feels the way I do about you now
今日がその日になるはずだったのに
もう奴らもお前に構いやしないだろうな
今頃お前は自分がやろうともしなかったことを
どうにかして気づいているんじゃないか
俺みたいにお前のことを思うやつなんて
今、他にいやしないだろうな
And all the roads that lead you there were winding
And all the lights that light the way are blinding
There are many things that I would like to say to you
But I don’t know how
お前を導いてくれるこれからの道は曲がりくねってるし
その道をを照らしてくれる光さえも眩しすぎて目が眩む
お前に言いたいことはたくさんあるのに
どう伝えたらいいかがわからないんだ
I said maybe
You’re gonna be the one that saves me
And after all
You’re my wonderwall
言ったよな、これからもお前は
俺を助けてくれる奴でいてくれるんだろ
結局のところ、今でもお前は俺のwonderwallなんだ

歌詞原文のみ引用 Oasis – Wonderwall | AZrlyrics

やっぱり全体を訳してみると1人の男から友達へのメッセージとして訳したほうが確かにしっくりくるんですよねぇ。

注目して欲しいのが1番の歌詞と2番の歌詞以降の微妙な違い。”Today was gonna be the dayに”時制が変わっているところとか、2番のサビがI saidで始まるところとか。1番では”And all the roads we have to walk are winding”となっていた箇所が2番では”And all the roads that lead you there were winding”と、二人で歩んできた道が分かれていったような。なんとなく2番で別れを交わしたようにも思えてきませんか?

この和訳と先ほどのBackbeatと重ねると、Johnが旅立った大切な友達Stuartに抱いた思いをNoelが代弁しているように聞こえます。

別れを交わしてしまったけれど、いつかお前が目の前に現れて俺を助けてくれる。Noelの語った「Imaginary friend」とは、今はもういない大切な友達を指し、「wonderwall」は自分の世界と大切な存在を繋ぎとめてくれる物質…と考えるのは少々度が過ぎた考えかもしれませんが、敢えてこの曲の中にBackbeatを加えたNoelの思いに邪推を膨らませるのも悪くはないんじゃないでしょうか?

最後にリアム、ぶっちゃけちゃう

以上、僕の考えるwonderwallの正体を3つ解説させて頂きました。ネットの他の記事を探ると、wonderwallは、「行き止まり」を暗示する物体だ、とか、自殺しようとしていた自分を思いとどまらせたもう1人の自分自身だ、とか面白い考察が飛び交っています。

正解がなくて当たり前ですし、多様な解釈ができる曲って人生の色々なステージで聞く度にその曲の印象が変わっていくのが良いと思います。Liamも1996年にこう言ってますしね。

A wonderwall can be anything. It’s just a beautiful word. It’s like looking for that bus ticket, and you’re trying to f***ing find it, that b**tard, and you finally find it and you pull it out, ‘F***ing mega, that is me wonderwall,'” he told Rolling Stone in 1996.

Mirror | Liam Gallagher’s foul-mouthed reaction to Oasis’ Wonderwall – and why he still hates it

そうです、wonderwallは何にだってなれる!なんせ不思議の壁だからね!それぞれ自分の思い描くwonderwallでいいのです。もし新しい考察があったら、是非コメントなどで伺いたいです。ここまでお読みくださった皆さん、ありがとうございました!最後にLiamの唱えるwonderwallのツイートをぶちこんで終わりにしたいと思います!

本当こいつら面白い。

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