最強バンド『D.A.N.』の魅力をおススメ曲と共に解説

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2014年のデビュー以降、音楽好きの方にお気に入りのアーティストを聞くと必ずと言っていいほど名前の挙がるグループ『D.A.N.』。僕も2019年9月、渋谷WWW Xで行われた「TIMELESS #5」で三人を見て以降、完全にどっぷりとその魅力に浸かっています。日本に根付いたメロウなサウンド、90年代のクラブカルチャー、そしてサイケデリックな中毒性を巧みに調合する注目バンド『D.A.N.』の魅力を徹底解説していきます!

メンバー編成とバンドのあらまし

『D.A.N.』は、櫻木大悟(ギター、ボーカル、シンセサイザー)、市川仁也(ベース)、川上輝(ドラムス)、1993年生まれの3人による音楽グループ。2014年のデビュー以降、2015年にはFUJI ROCK FESTIVALへの出演、2017年11月にはロンドンでの公演など、国内海外を問わず、積極的に活動を行い、その音楽性も高く評価されています。

音楽的に非常に新しい試みを続けているグループなのでジャンルのカテゴライズは一概には言えませんが、本人達はあくまで「ロックバンド」と称しています。

―ロックと呼ばれることに違和感は?

櫻木:まぁ、なんだかんだ言ってもロックバンドなんでね(笑)。その枠組みの中で何ができるかってことかなぁって考えてます。
川上:ロックっていう言葉が恥ずかしい時期もありましたけど、今は一周回って、ロックってカッコいいかもって思ってますね(笑)。
市川:エネルギーとかダイナミクスみたいなものはロックの強みだから。そういう部分をちゃんと生かしつつ、より現代的なアプローチもできたらなって。

出典:https://www.vogue.co.jp/celebrity/interview/2017-10-dan

それでは、メンバーをチェックしていきましょう!

櫻木大悟(ギター、ボーカル、シンセサイザー担当)

櫻木大悟
出典:https://www.instagram.com/p/B6wujn2Jk_L/

D.A.N.のボーカルでありフロントマン。高い完成度を誇るD.A.N.のメロディーラインの影に隠れてあまり話題になりませんが、歌唱力も非常に素晴らしいです。かの山下達郎さんを彷彿とさせるような美しい櫻井さんのファルセットは、一瞬聞くだけで「あ、これは櫻木さんだな」と分かるほど突き抜けています。中学3年の時にEpiphoneのレスポールに触れたのが音楽における自身の原体験らしいのですが、あまり演奏ができずに一度挫折してしまったそうです。ベースの市川さんと同じ小学校と中学校に通っていました。

市川仁也(ベース担当)

市川仁也
出典:https://www.cinra.net/interview/201807-dan

市川さんのベースはセルフトランスを引き起こしかねないくらい心臓にも脳みそにも響いてきますよね。『Sundance』や『SSWB』などは特に市川さんのベースが光っていますので是非聞いてみてください。ベースは中学生の時に買ったそうですが、実際に触り始めたのは高校に入ってバンドを組んだ時からのようです。中学生の時は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONやELLEGARDEN、BUMP OF CHICKENなどを聞いていて、高校からはNUMBER GIRLやZAZEN BOYSに傾倒し、洋楽を聞くようになったとのこと。never young beachのメンバーと仲が良く家で遊んでいたりするようです。

川上輝(ドラムス担当)

川上輝
出典:https://www.cinra.net/interview/201605-dan

D.A.N.のリズムを一手に担う存在。『Dive』のイントロのバスドラとハイハットとかもう病みつきになっちゃいます!個人的にライブで見せる病的な眼差しがたまりません。高校生の時にベースの市川さんとバンドを組んでおり、大学に入ってからボーカルの櫻木さんと音楽的に交流を深めることになります。(この時に櫻木さんのバンドでドラムスを担当していたのは、現在のD.A.N.のリミックスも手掛けるShinozaki Soheiさん。当時はツインドラムでやっていたようです)

初めて買ったレコード盤はLed Zeppelinの『Presence』(『Achilles Last Stand』などが有名)とのこと。意外にも3人全員ルーツがロックにあって親近感が湧く一方、どんなシフトチェンジしたらこんな音楽センスの塊になるのか分かりません…。

小林うてな(サポートメンバー)

小林うてな
出典:https://natalie.mu/music/column/347355

D.A.N.の世界観を作り出すうえで欠かせないもう一人、第4のメンバーともいえる小林うてなさんです。主にスティールパンやマリンバを演奏します。こちらのライブ映像はうてなさんの演奏が取り分けはっきり見られる貴重な映像です。2018年にリリースされた『Sonatine』を境にグループを離れていますが、是非またライブでうてなさんのスティールパンをもう一度聞きたいですね~。

バンド結成まで

高校卒業後、ベースの市川さんとドラムの川上さんがボーカルの櫻木さんに誘われ、今のD.A.N.の土台が出来上がりましたが、結成当初はこの現在に続く3人のメンバーの他に櫻木さんと中学時代から親交のあった3人を加えた6名でバンドを組んでいました。バンドとしてはかなりの大所帯ですね。

元々、自分たちはこういう音を作っていくんだという明確な意思のもと、というよりは実験的にその時その時で面白いサウンドを作っていくスタイルでしたが、6人それぞれの求める音に個性があり、各々の主張がぶつかり合うことで、櫻木さんをはじめとした現在のメンバーは音楽の方向性を徐々に見失っていきました。刺激をとるか、バンドとしてのまとまりをとるかを迫られたメンバーは3名での活動を決心します。そして現在のメンバーで構成された『D.A.N.』が確立するのでした。

3名というバンドとしては最小限のユニットになったことで、それぞれの役割が持つ音が明確になったとメンバーは語っています。

バンド名の由来について

何かの略語なのか?メンバーにゆかりのある言葉なのか?様々な推測を呼び起こすようなバンド名ですが、実際にはなんと、何の意味もありません。(おいマジか!)メンバー曰く、バンド名から音楽性を悟られるようにしたくないという意向からだそうです。ちなみにドットがついているのは字面の良さから。ベースの市川さん曰く、最後の「ドット」が抜けて記載されることが多いので、絶対につけて欲しい、とのこと。

D.A.N.の魅力。何故音楽性が評価されるのか?

ミュージックフリークな方々からのD.A.N.の評価が極めて高いのは、「同世代の他のインディーズバンドとは明らかに異質な存在」そして、「現代の若者を虜にする要素を余すことなく持ち合わせていること」という2つの側面にあります。

クラブカルチャーとの接点を見出す稀有な存在であること

近年、日本のインディシーンで活躍する最前線のバンドをざっとさらってみましょう。cero、Yogee New Waves、never young beach、Tempalay、WONK…。(完全に僕の趣味で選んでいます)旺盛な実験精神に駆り立てられ、日本のサウンドに新しい要素を取り入れ続ける素晴らしいグループが次々と生まれています。しかしながら、ここ最近で脚光を浴びるこれらのバンドは都会的なサウンドでありつつも、いずれもジャズやR&B、ソウルなどのブラックミュージックの影響が少なからず反映されていることは彼らのルーツからも明らかでしょう。2016年頃から表舞台に一気に躍り出たSuchmosなんかもかなりブラックミュージックの影響を色濃く受けていますよね。

しかしながらD.A.N.のように日本で馴染みやすいポップなサウンドにクラブカルチャーの要素を取り入れようとする姿勢のバンドはほとんど見かけません。これこそがD.A.N.が今の日本のインディシーンにおいて大変稀有な存在である理由であるように思います。ここ最近は表面だけをかじったような薄っぺらいダンスミュージックが受け入れられることも多く、「EDMかぶれ」疲れを覚える方々にとっては、D.A.N.が取り入れようとする、80年代後半に隆盛を極めた歴史あるハウスのサウンドがとても心地よく響くのかもしれません。

余白、抽象的なのに鋭い歌詞、そして中毒性

D.A.N.を表現する数あるキーワードの一つとして「ミニマル」という一語は外せないでしょう。例えば上記の『Dive』。これだけ必要な音を極限まで削ぎ落として、リズム隊がグルーヴに徹する曲は他のバンドでは聞くことができないと思います。櫻木さんは「余白を残すことで、聞く人に自由な聴き方をしてもらいたい」とvogueでのインタビューで述べています。

― (前略)自分たちの音楽は時代や社会とどう向き合っていますか?

櫻木:D.A.N.の音楽には、余白があると思うんです。歌詞でもサウンドでも、聴いたときに人それぞれ思うことが違って、考えさせるというか。物があふれ返って情報過多な時代ですけど、自分たちの音楽はその逆を行っているのかなとは思いますね。

出典:https://www.vogue.co.jp/celebrity/interview/2017-10-dan

様々なサウンドにチャレンジするアーティストもぐっと増え、音楽的にも情報過多な現代において、D.A.N.の押しつけがましくないミニマルなサウンドは、聴く人にとってはエアポケットのような時間に感じると思います。

また、櫻木さんの生み出す、個人の内面に潜む本能的な感情をつっつくような歌詞も魅力の一つとして外せません。「安心」と「不安」。「生きること」と「死ぬこと」。「そういった対比を観察したり見つめたりすることが、自分のスタイルだ」と櫻木さんは語ります。非常に抽象的ではありますが、その片鱗が楽曲のあらゆる箇所で確認できます。

幸いにもまともに諦めた
ありふれた ロマンスを

出典:『Zidane』/作詞:櫻木大悟

安心なライオンの背中に
跨り乗って 死んだつもりで歩こう

出典:『Ghana』/作詞:櫻木大悟

メンバーは幼少の頃に影響を受けた日本のアーティストとしてスピッツや宇多田ヒカル、キリンジなどを挙げています。確かにD.A.N.の歌詞から見える精神性と表現の幅は、スピッツやキリンジに部分的にも近いような気がしています。なんだかよく意味ははっきりと分からないけど、ずっと心に引っかかる歌詞というのは誰にも一つや二つあると思います。そんな歌詞をインナートリップを誘発するような中毒性のあるサウンドに乗せて歌うものだから、いつの間にか聞き込んでしまう。完全にD.A.N.の策略にはまっていると言えるでしょう。(言い方が悪くてすみません)

櫻木さんは仮歌の段階では英語で歌詞を入れ、後から日本語を乗せるそうですが、この作業に大変苦労されるようです。それでも『三万年も経って 独り身のムーンライト』(Native Dancer)なんてお洒落な歌詞をぽんっと出すあたり天才としか言いようがありませんが…。笑

ここまではD.A.N.の魅力である「バンドとしての高い独自性」、「余白のあるミニマルなサウンド」、そして「ぼんやりとしながらもエッジの効いた歌詞」といった点を解説させて頂きました。それでは次におススメの曲にいってみましょう!僕の趣味全開で紹介させて頂きます!すみません!

D.A.N.のおススメ曲5選!

5曲に絞るなんて大層おこがましいのですが、もうこれは必聴だろうというものをとりあえず集めてみました。D.A.N.はその音楽性も去ることながら、MVの芸術性も一歩抜きん出ているので、是非一度MVにも目を通してみてください。

SSWB

初っ端からうなるようなベースにもっていかれたかと思いきや、そこに包み込むようにスティールパンの演奏が重なり、思わず体が揺れてきます。うてなさんのスティールパンが魅力的過ぎる…。

歌詞にもありますが、「SSWB」は「Super Shy Without Beer(ビールが無かったらマジでコミュ障)」の頭文字をとったものです。映像も素晴らしく、この世界観一つで90分ほど短編映画が製作できるのではないかと。アングラな若者の空虚な感情がひしひしと伝わります。

Sundance

市川さんのベースが光る一曲です。楽曲の一部がロンドンにあるフローティング・ポインツのスタジオでレコーディングされており、彼の音楽的アイデアが所々に採用されています。こちらのMVは斉藤和義や星野源のアートワークを手掛けるオオクボリュウ氏による作品です。じりじり動く幾何学模様とレトロなフィルターのかかったタイポグラフィーが何とも言えない味を醸し出しています。

Replica

2018年にリリースされた『Sonatine』収録曲です。こういったスローテンポの曲でもしっかりグルーヴが完成されているのはD.A.N.ならではでしょう。サビの『宇宙の海に浮かべたら ブラックホール 吸い込まれるのもEasy Easy』の語呂がやけに頭に残る今日この頃。

Native Dancer

イントロ15秒から虜になる一曲。とりあえず上の映像ぽちりしてみてください。ちなみにD.A.N.と親交のあるサカナクションも同名の曲をリリースしています。こちらもいいですよね~。D.A.N.もサカナクションもスピリチュアルジャズの巨匠であるウェイン・ショーターの大ファン。その名盤『Native Dancer』からインスパイアを受けています。櫻木さんは自身のお葬式に、山口さんは自分の作る映画のオープニングで流して欲しいそうです。

Curtain

最後に僕の一番好きなおススメ曲を紹介させて頂きます!『Curtain』という2016年リリースアルバム『D.A.N.』の中の一曲になります。収録されている8曲どれも完成度がすこぶる高いのですが、一番好きな曲と言われたら間違いなくこれ!洗練された歌詞と全体の構成、特に4分半以降のスティールパンを含めたバンド全体のグルーヴが凄まじい!聞く価値絶対ありなので、是が非でも聞いてみてください。

【最後に】時代に囚われないサウンドを探求し続けるD.A.N.。今後も楽しみです!


以上、メンバー編成からバンドの魅力、そしておススメ曲までを総ざらいしてみました。初めて聞くよ~という方がいたら、『Zidane』『Native Dancer』あたりのあまり長くなく、かつノリやすい曲から入ると、徐々にD.A.N.の魅力に憑りつかれていくかと思うのでおススメです。続々リリースされる作品一つ一つに新しいサウンドの融合を試みようとする姿勢が感じられるインディーズバンドの革命家、D.A.N.。今後も本当に目が離せません!最後までお読み頂きありがとうございました。

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