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Google広告の自動入札機能を最大限活用するためのコツ~概念編~

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2021年、すっかり運用手法のスタンダードとして定着したGoogle広告の自動入札機能。今回はそんな自動入札機能を2回に分けて解説していきたいと思います。本記事では「概念編」と称し、「Google広告の自動入札を利用するにあたり覚えておくべき3点」についてまとめました。

  • そもそもGoogle広告の自動入札とは
  • 自動入札が生まれた背景
  • 自動入札のメリットを最大限活用するために求められるアカウント設計

実務面で役に立つ各自動入札戦略の具体的な使用場面についても以下の別記事にてまとめましたので、ぜひ後でご一読ください。それではまずは「概念編」から。いってみましょう!

自動入札機能とは

まずは、自動入札機能についておさらい。

自動入札機能とは、これまで運用者が手動で行ってきたキーワードやデバイス、オーディエンスなどの入札単価調整をGoogleが機械学習に基づいて自動で行ってくれる機能のことです。中でも特に、機械学習の目的変数(最適化の基準)がコンバージョンデータになる入札方式を「スマート自動入札」と呼んでいます。

  • 自動入札…それぞれ予め設定した目標に基づいて、入札単価や比率調整をGoogleが自動で行ってくれる。(コンバージョンデータは加味しない)
  • スマート自動入札…コンバージョンのデータを学習しつつ、それぞれ予め設定した目標に基づいて、入札単価や比率調整をGoogleが自動で行ってくれる。

つまりスマート自動入札は、コンバージョンのデータを基に獲得見込みの高い入札については単価を引き上げることで確実に獲得することを可能にする一方で、獲得見込みの低い入札に対しては入札単価を引き下げることで無駄な出費を抑えるという本来人間が行うには煩雑すぎる調整をGoogle広告が代わりに行ってくれる、ということです。

自動入札機能が生まれた背景

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ある事象について深い理解を得る為には、それが生まれた歴史を辿るのが一番。ということで、ここで一度、自動入札が生まれるまでのGoogle広告(とりわけ検索キャンペーン)の歴史をざっと振り返ります。

手動入札の理想形「SKAGs」と実際のシーン

自動入札の機能が生まれる前(2015年頃)、Google広告のアカウント設計の主流は、1キーワードにつき1つの広告グループを作成して配信する「Single Keywords Ad Groups(通称:SKAGs)」というスタイルでした。

SKAGsはコンセプトとしてはとても素晴らしいもので、Google広告の理念とも非常にうまくマッチしており、①広告の品質の向上、そして②精度の高いターゲティングという2つのメリットを実現できる設計でした。(1つ1つのキーワードに対して広告を出し分けることで、検索語句と広告の関連性が高まる。さらに広告グループごとにターゲットも調節できる)

そう、コンセプトとしては。

現実問題、上記2点を実現するためには、設定したすべてのキーワード、広告に対して、きめ細やかな入札調整が必要となります。が、SKAGsの設定では、すべてのマッチタイプを網羅することも相まって、その管理作業は煩雑なものとなり、本来SKAGsが目指す理想を体現することが非常に難しいのでした。

まとめると、SKAGsが目指すところは間違っていないが、人間の手でそれを実現させるのに無理があった、ということです。

こうした状況に対してGoogleは「人力でキーワード毎に細分化して入札単価調整を行うのでは費用対効果が合わない。それよりは入札の調整は機械に任せて自動化して、広告見出しやリンク先の商品の改善に集中してもらう方が良いのではないか」と考えました。

こうして生まれたのが自動入札機能でした。

機械学習から得られるメリットを最大限享受するために

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それでは、自動入札を採用したとして、アカウント設計はSKAGsのままでいいのかというと勿論そんなことはありません。アカウント設計を含め、自動入札を採用した時に最も成果を出しやすくする為に意識すべきポイントを押さえていく必要があります。

自動入札で成果をあげるためには、「Googleに適切な正解データを設定し、正しい説明変数を最大限読み込ませる」ことが必要不可欠です。

カレーに例えて話をすると、機械学習自体は最適なスパイスの組み合わせを探し出してくれる役割を果たします。が、そのためには「一番美味しいカレーとはどんなものか」を人間側が定義しなくてはいけません。

さらに、一番美味しいカレーを定義できたとしても、用意できたのが、シチューのルーであったり、美味しいカレーを作るのに本当は大量に必要だったはずのスパイスがちょこっとしか調達できないと、機械学習は真価を発揮できません。次の3つの視点で各項目を確認してみましょう。

正解データとアルゴリズムの定義
  • 適切な目標設定とそれに応じた入札戦略の設定が出来ているか
誤った学習の回避
  • 無意味なインプレッション損失を発生させていないか
  • アトリビューションモデルは意図したものになっているか
学習量の最大化
  • 不必要なグルーピングはされていないか
  • オーディエンスリストを設定しているか
  • リーチを拡大できるマッチタイプや広告タイプを設定しているか

適切な目標設定とそれに応じた入札戦略の設定が出来ているか

これは当たり前のことですが、今一度振り返ってみる必要があります。掲げる目標と入札戦略は適切に設定できているか?というポイントです。

例えば、これまでの実績CPAが12,000円なのに、「目標コンバージョン単価」の入札戦略で目標CPAを5,000円に設定したとしたら、ほぼ間違いなくコケます。実績とかけ離れた目標を学習させてしまっても、Googleはそれを何とか実現しようと努力するので、確実にCPAを抑えられるKWやプレースメントでのみ配信が行われ、本来CVが獲得できたはずの機会を逃してしまうことになり、結果として間違った学習をGoogleにさせてしまうことになります。

無意味なインプレッション損失を発生させていないか

入札が抑制されたのが、「正常な学習に基づいて、CVに貢献しにくい入札だとGoogleが判断したから」かなのか「ただ単に予算不足や広告ランクオークションにおいて検索結果のどこに広告が表示されるか、そもそも入札対象になるかを決める重要な指標。キーワードの入札単価、広告の品質(検索語句との関連性、推定クリック率、ランディングページの利便性など)によって数値化される。この指標はリアルタイムで変動し、管理画面からは確認できない。が低いために入札できなかったから」なのかという視点は重要です。後者の原因によってインプレッションが出ていない場合は、Googleに「CVに貢献するか」と関係ない部分で間違った学習をさせているからです。

予算不足によるインプレッションシェア損失キャンペーン期間や1日の中で、日予算が足りない為に本来表示できたのに表示できなかった広告の割合。「キャンペーン」>「表示項目」で選択すると表示されるよん。を避けるには、日予算を増やすか、無駄なコストをカットするかの二択になりますが、実際の現場で日予算をほいほい増額できるものではないので、現実には無駄なコストをカットすることになります。

検索キャンペーンでは「部分一致」でリーチが適切でない範囲まで広がりすぎてしまっているキーワードのマッチタイプを絞るとか、ディスプレイキャンペーンではCVが出ていないプレースメントを除外するなどの対策を講じます。

アトリビューションモデルは意図したものになっているか

Googleに誤った学習をさせないという視点では、アトリビューションモデルの見直しも欠かせません。

アトリビューションモデルとはユーザーがコンバージョンに至るまでの動線の中で、どのポイントを重要視するかを示したモデルです。例えば検索広告で5回クリックしてもらって4回は離脱したけど5回目でコンバージョンしたというケースがあったときに、「ラストクリックモデル」の設定にしていると、5回目の検索語句のみが評価されて以降の配信が強化されることになります。実際には1~4回目の語句を検索した後でないとその5回目の語句はCVしないかもしれないという可能性があるにも関わらず、です。

ラストクリックだけを評価する設定になっているということは、長期的な視点ではCV数や配信量の拡大を妨げる要因になる(本来CVに貢献しているキーワードの配信が強化されない)ことを意味するので、優先的に見直したい部分です。現状の配信で設定しているコンバージョンアクションのアトリビューションが「ラストクリック」に設定されているアカウントは「ラストクリック」以外の「減衰(CVに近いタッチポイントほど高く評価)」や「線形(すべてのタッチポイントを均等に評価)」などの設定に変更しましょう。

すでにある程度の配信量が出ているアカウントでは「モデル比較」レポートGoogle広告管理画面の右上メニューから「ツール」→「アトリビューション」を選択するとサイドバーに表示される。詳しくはこちら。を活用して各アトリビューションモデルに設定したときのCV数やCPAの変化が確認できるので活用しましょう。

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